2021/08/15

情報通信白書2012年版を読む

 ■情報通信白書2012年版を読む

ーYahoo!個人「今日はこのへんにしといたる」2013/6/8(土) 11:10ー


 総務省の情報通信白書。ぼくは編集委員の一人で、2013年版の編集に取りかかっています。

 今度はどこに光を当てましょうか。それを考える上でも、2012年版を振り返っておきましょう。

 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/

 発表後、「スマホ効果7兆円」がクローズアップされたのですが、

 http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20120718_547302.html

 厳しい実態も多く指摘しています。8点ポイントを挙げてみましょう。

1) インフラ

 ICTインフラの優位性が縮まり、ネット普及率が他国に抜かれつつあります。インターネットの人口普及率は主要先進国と比較しても普及率が高いとは言えなくなっています。特に高齢者層と低所得者層の普及率の低さが要因となっています。モバイルネット普及率も先行していたが、差が縮まってきています。

 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc113120.html

2) 輸出

 ICTサービスの輸出/GDPは調査対象25か国中最下位。ハードウェアの輸出の落ち込みも大きく、内需型に。

 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc113150.html

3) 利用

 企業のブロードバンド利用率が最下位レベル。公的分野のICT利用も低迷。公的機関への個人ネットアクセスは調査対象18か国中最下位。インフラ先行で、高度なシステムが組まれながら、企業や行政・教育など公的分野の利用が立ち後れていることが日本にとっての最大課題ではないでしょうか。

 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc113130.html

4) ユーザ

 新たな商品開発のニーズ等を引き出し得るユーザーの能力の高さを表す世界経済フォーラム(WEF)による「消費者洗練度」は最高評価。企業や公的分野は劣後しているが、消費者は先進的です。今後の競争力の源はユーザにあると言えるでしょう。

 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc113150.html

5) トレンド1:スマート革命

 スマート革命のイメージとして、マルチデバイス×クラウド×ソーシャルへのメディア変化と、「ビッグデータ」の活用とを合わせて記述。ケータイ、ネット、コンテンツ後の姿を白書も模索しています。

 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc120000.html

6) トレンド2:スマートテレビ

 スマテレ、放送・ソーシャル連携をクローズアップ。地デジ、通信・放送融合後の姿をもまた模索しているのです。

 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc123210.html

7) トレンド3:ソーシャル

 10~20代が「楽しみ・話題性」の点でソーシャルメディアの評価が新聞・雑誌を上回ったことに注目しています。従来、ICTを産業の側面で捉え、産業政策に力が入れられてきたのですが、利用政策に軸が移りつつあります。日本の情報社会を牽引するユーザの行動を分析することは、今後ますます重要になります。

 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc123340.html

8) トピック:第3章として「大震災からの教訓とICTの役割」。

 2012年は震災直後の編集でしたので、改めて総括。

 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc130000.html

 どうです? 白書って無味乾燥に見えて、読み込むと結構面白いんです。2013

年版をおたのしみに。


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